セブンチェアの修理


”セブンチェア”と聞いて、何のことか分からなかった不勉強な私です 修理のご依頼を頂いてから調べてみるとアルネ・ヤコブセンがデザインした椅子で、発売された時期はちょうどミッドセンチュリーの時代になるのでしょうか
成形合板で一体で作られた背と座から4本の細いメッキパイプの脚が伸びています 目に入るのはそれだけ 究極のシンプルと座り心地、軽量で可搬性にすぐれ、座り心地も素晴らしい椅子です
今回は脚部と成形合板部分を繋ぐジョイント部分の剥離です

4本のメッキ鋼管でできた脚を座面の真下でまとめて2枚の金属プレートで挟み溶接することで脚部のユニットが構成されます その金属プレートに対して、座面下に接着されたプラスチックのプレートにねじ止めすることで脚部と本体とが合体しますが、ブナ材でできた成形合板とプラスチックという異材同士の接着ですから弱いのは仕方ないのでしょう

プラスチックプレートが剥がれた本体裏を見てみます
粘りが強く弾性のある接着剤でプレートが取り付けられていた様です これなら衝撃に強いと思いますので、お客様が”15年持った”という訳もわかります
ただこのプラスチックプレート(材質はABS)は既に数か所ひび割れもありましたので、別の方法がないか検討しました しかし成形合板の本体の板厚は恐らく数ミリしかないので木ねじは使えそうにありません

ひびの入ったプラスチックのプレートの代わりに木製でプレートを作りました 成形合板の材料と同じブナ材を使い、衝撃による割れを防ぐために薄板を2枚、木目をクロスさせて積層接着して厚みを元の9.5mに合わせ、座面裏の取付スペースにはまるよう直径118.5mmに旋盤で削って精度を出してあります
形ができたら市販の6ミリのクリップナットを加工して埋め込みました この部品を座面裏に接着しクランプで圧締します

作ったプレートがしっかり固定されたら軽く塗装して作業は終わりです 最後に脚部をねじ止めして、目隠しのプラスチックカバーでジョイント部分を覆ったら完成です

最後にこっそり座って座り心地を確認しました こんな華奢な構成なのに、この座り心地、安心感・・脱帽です
セブンチェアを調べてみると様々な派生モデルとカラーバリエーションがあるのが分かります 選ぶ楽しみもありますね
白い壁と淡い茶色フローリングという形態が日本では多分一番多い”住まいのスタイル”だと思うのですが、そこにぴったり合う椅子が無いような気がしていました セブンチェアならきっとどんなインテリアにも合いそうですね




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