ノーブルのダイニングチェア
- 渡辺木工

- 2 日前
- 読了時間: 2分

背もたれが籐張のいすの座り心地は格別です
籐張部分が体全体を面で支えるので長い間座っていても疲れない上、通気性は抜群で暑いシーズンでも背中が蒸れません
でも乾燥が進んでくると繊維がささくれ立ってきたり、ちょっとのショックで破れてしまったりします

大切に使われてきたこのいすも同じように真ん中からバリっと裂けてしまいました
このタイプのものは予め編まれた籐編みのシートを張り替えることで修理します

まずは破れたシートを剥がすことから始めます
全体の作業時間の内、かなりの時間をこの剥がしの工程で使ってしまう程時間がかかります 籐編みは椅子本体の背もたれの木枠にある5~6ミリくらいの溝に対し、断面が丸い丸棒のような籐芯で固定されています
この籐芯は接着剤で固定されているので、溝を傷めないように丁寧に籐芯と接着剤を取り除いていきます

元の籐張を剥がし終えたら新しいシートに張り替えます
まずシートを水に浸し柔らかくします 水を含んだ状態でシートを張ると乾いてからピンと張ります
気をつけなければいけないのは、縦横のラインが直角に張られているかどうかです 確認を怠ると乾いた時に編み目がきれいに見えません
3日程度陰干しして水気が飛んだあとで、はみ出た余分な所を丁寧に切り取り塗装します

最初は籐の元々の淡いクリーム色だった様ですが、少しずつ飴色に変わってきたところでした そこでクリアで塗装するところを今回は着色し、修理直前の使い込まれた風合いにしました
籠目編みの籐張部分がいいポイントになっています この風合いは籐張のいすならではですね これからも永くお使い頂ければと思います




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